オフィス家具の廃棄処分方法とメリット・注意点
オフィス移転やオフィス退去時には、デスクやオフィスチェアなどのオフィス家具の廃棄が発生します。
オフィス家具の処分はどこに頼めばよいのでしょうか?
代表的なオフィスの廃棄回収処分の方法(委託先)と、それぞれのメリットと注意点を解説します。
オフィス家具類の廃棄は誰に頼めばいいの?
オフィス家具を一掃して廃棄するケースは、オフィス移転やレイアウト変更、支店や分室の閉鎖など日常的にある機会ではないので、業者探しも困ってしまいますよね。
代表的な廃棄処分のお願い先は、下記の3つになります。
それぞれメリットがありますが、依頼するときに抑えておきたい注意点もあります。オフィス移転や廃棄の担当になった方は、その特色を抑えて、賢く安全にオフィス家具の廃棄処分をしましょう!
オフィス家具の廃棄処分を依頼する代表的な業者3パターン
➀廃棄業者に頼む
②中古オフィス家具買取業者に頼む
③引越業者に頼む
ケース1 廃棄業者に頼む
ケース1
オフィス家具の廃棄を
廃棄棄業者に頼んだ場合
廃棄業者さんにお願いするメリットとしては、オフィス移転や退去で出る廃棄物の中には、結局デスクやチェアなどの買取可能な中古家具以外にも、文房具やプラスチックケースやファイルなどの雑多なゴミも出てきてしまう、ということがあります。
廃棄業者さんであれば、家具以外にも、これらの雑ゴミを一括して持っていれるので手間がかかりません。
ただし、デメリットとしては、日常的にお付き合いのある業者さんがある企業は少ないため、移転や退去という非日常的な業務の中で、新たに探す必要がある、ということになると思います。
その場合、インターネットで検索することになると思いますが、注意が必要です。
検索窓に、「不用品 回収」や「不用品 廃棄」と入力して検索すると、数多くの不用品回収業者さんや見積り比較サイトが検索結果に表示します。
しかし、それらは家庭の粗大ゴミの回収業者さんではないでしょうか?
家庭から出る粗大ゴミは「一般廃棄物」になりますが、オフィスや事務所から廃棄するデスクやチェア、キャビネットなどは「産業廃棄物」になります。
オフィス家具を廃棄してもらう場合に、もっとも注意が必要なことは、最低でも、「産業廃棄物の収集運搬許可」を持っているかどうか、ということです。(「産業廃棄物の処分許可」を持っていれば尚良いです。)
よって、家庭ゴミ等を回収できる「一般廃棄物」の収集運搬許可しか持っていない場合には、廃棄を依頼してはいけません。(もちろん収集運搬免許の無許可業者なんて論外です!)
産業廃棄物の収集運搬許可権者は都道府県知事なので、収集運搬許可免許は、都道府県レベルで発行しています。
注意点としては、廃棄物を「積んだ場所」の収集運搬許可免許と、「降ろす場所」の許可免許の2つが必要です。
つまり、例えば廃棄物を東京都内のオフィスビルから積み込んで、神奈川県の処分場に持っていく場合は、東京都の産業廃棄物収集運搬許可と神奈川県の収取運搬許可の2つが必要です。
先ほど、産業廃棄物の収集運搬許可の他に、産業廃棄物の「処分業」の許可免許を持っていれば尚良いと書いたのは、運べるだけの業者さんより、処分場で自ら処分ができる業者さんの方がコストが安く抑えることができるケースが多いことがポイントになります。
ケース2 中古オフィス家具買取業者に頼む
ケース2
不要なオフィス家具を
中古オフィス家具買取業者に
買取依頼する場合
トータルの廃棄コストを抑えるためには、売れるオフィス家具は買い取ってもらうのは有効な手立てです。
オフィス家具の買取をお願いする場合は、自社のオフィス家具類の特色に合った買取業者さんを探しましょう。
オフィス家具の買取や中古販売をしている業者さんにはいくつかの特色があります。
例えば、オカムラ製やコクヨ製など、固定の大手家具メーカーに特化した買取業者さんや、大量ロットの買取に強い業者さん、1点からでも引き取ってくれる店舗型の買取業者さんなどです。
それぞれの特徴を理解して買取依頼をすると効率良く買取査定をお願いすることが出来ます。
しかし、新型コロナウィルスの感染拡大以来、リモートワークやテレワークが普及したためオフィスの縮小移転が増加し、中古オフィス家具は買う人よりも売却希望の方が増えてきています。
そのため、元々の売価が高い大手メーカーのオフィス家具や海外製のブランド家具は買い取って貰えることが多いですが、そもそもが比較的手ごろな価格の組立家具等の場合は、売値がつかず、廃棄品になるケースが増えています。
とはいえ、買い取ってもらえたらラッキーという気持ちで、買取の査定を依頼してみてください。
オフィス家具の買取をしてもらえうことが可能なケース
- 大手家具メーカーのオフィス家具である(オカムラ、コクヨ、イトーキ、内田洋行等)
- 新しい、使用年数が2~3年以内
- 30台以上同じ製品が揃っている
オフィス家具の買取を断られることが多いケース
- 元々の売価が安いオフィス家具である
(インターネットで購入した組立家具や、中古品を購入していた場合等) - 5年以上利用している(座面に皺がある等)
- 数が少ない、型番が不揃いである
そもそも中古オフィス家具を買い取ってもらうメリットとしては、不用品を買い取ってもらうことで少しでもトータルの廃棄費用を抑えることだと思います。
ただし、オフィス移転や廃棄には、買取が出来ない雑ごみ(文房具やプラスチックケースやファイルなど)も発生すると思うので、買い取り業者とは別に、産業廃棄物の処分業者も探す必要が発生します。
中には、買取と廃棄をセットで行ってくれる中古オフィス家具の買取業者さんもいますが、廃棄も含めた場合には、結局トータルコストが割高になってしまうケースもあるので、買取単価だけに目を向けずに総合的に判断することをお勧めします。
ケース3 引越業者に頼む
ケース3
引越し業者さんに不用品回収もお願いする場合
オフィス移転時には、引越業者さんが、新オフィスに持っていくオフィス家具を運んだ後に、不用品の廃棄処分まで請け負ってくれる場合があります。
メリットとしては窓口が一本化するため手間がかかりません。
注意点としては、その廃棄物の管理をしっかりできるのか?コンプライアンスは大丈夫か?(廃棄物の処理を法律に則った形で行ってくれるのか?)という点になります。
産業廃棄物は、排出した(捨てた)企業が管理する必要があります。
引越業者にもよりますが、回収した廃棄物を一か所に保管した後、一括しhて産業廃棄物処分業者に渡すため、それぞれの廃棄物がどの企業や団体から排出した廃棄物か管理できていない引越業者さんもいます。
そもそも、産業廃棄物処分業者に渡す時点で、お客様と処分業者とが委託契約を結んでおく必要がありますが、窓口の引越業者さんが、このあたりのことに触れずに回収してきてしまっているケースも多々見受けられます。
自らが廃棄物を管理できる状態であるかどうか、適切な委託契約にもとづいてお願いできるかどうかを予めチェックしておくことが重要です。
オフィス家具の廃棄処分方法とメリット・注意点まとめ
オフィス家具の廃棄処分方法とそれぞれのメリット・注意点をまとめました。
➀廃棄業者にお願いする場合
メリット
- 雑ゴミも含めてすべて廃棄一掃できて便利
注意点
- 産業廃棄物の処理もしくは収集運搬の許可業者業者を探すこと
- 特に家庭ごみ等を中心に扱っている不用品回収業者さんには注意
②買取業者にお願いする場合
メリット
- 買取によりトータルの廃棄費用を抑えることができる
注意点
- 買い取ってもらえない家具もある、ガッカリしないこと
- 廃棄品の処分先は別で探す必要があること
- 買取&廃棄をお願いする場合、トータル額で判断してみること
③引越業者にお願いする場合
メリット
- 移転の際は、家具類の移動と不用品廃棄がセットで頼めて便利
注意点
- 引越しばかり考えず、きちんと廃棄の部分も委託契約をしてくれるか確認すること
- 廃棄物がどのように処分業者にわたるのか等、一度確認をしてみること
オフィス家具の廃棄処分や回収依頼をしようと考えたときに、いくつかお願いする先の選択肢があること、またそれぞれのメリットとちょっと注意した方がよいところがあることがお分かりいただけたと思います。
オフィス退去の匠も、ぜひその選択肢の1つに入れて頂けたら幸いです。